【香港旅行記⑨ 2023年】 ガイドブックに載っていない九龍寨城公園

2023年香港旅行記

九龍寨城公園って?

九龍寨城公園とは九龍寨城跡地に作られた公園です。

九龍寨城を知らない方にとっては庶民の憩いの場所にしか見えない公園ですが、九龍寨城のイメージをすこしでも持っている方にとっては、ちょっとびっくりするくらいイメージの違う公園になっています。

九龍城が壊された跡地

以前この地にあった九龍寨城は1987年に取り壊しが決定され、1995年に公園として再出発をしました。その後30年近く庶民の憩いの場として愛されています。

現在の姿から九龍寨城の姿は想像できないですが、公園の中には以前の九龍寨城姿を紹介するブースがあり、プロジェクションマッピングを使い以前の九龍寨城姿の一部を紹介しています。

九龍寨城の全体的なかたちを捉えたミニチュア模型も公園内にありました。

敷地を目一杯使って建てられていた九龍寨城の雰囲気が伝わって来ます。

ガイドブックには載らない公園

香港旅行を決めたあとガイドブック等を読み漁りましたが、九龍寨城公園について詳しく記載されているガイドブックを見つけることができませんでした。

限られた時間しか無い旅行者に、あえてオススメする観光地では無いようです。

観光地の公園という点では特別なところは無いかもしれませんが、香港の歴史の一部を感じることのできる公園です。

九龍寨城とは?

九龍寨城とは何でしょうか。九龍寨城は「九龍城」とも「九龍城塞」とも呼ばれたりしますが、正式名称ではありません。

そもそも九龍寨城自体が正式な場所ではなく魔の巣窟と呼ばれた巨大なスラム街でした。

発端は1840年に始まった清とイギリスのアヘン戦争まで戻ります。

アヘン戦争でイギリスに負けた清(当時の中国)は1842年の南京条約と1860年の北京条約で香港島と九龍半島南端を割譲することになりました。そして1898年には向こう99年間にわたる租借が決まり香港はイギリス領となりました。

その際に、清の出先機関があったこの九龍寨城はイギリスの支配が及ばない土地とされ引き続き清の領土とされましたが、その後清の役人がいなくなってしまい、事実上の無法地帯となってしまいました。

そして第二次世界大戦や、中共内紛戦争などの間に難民がどんどんこの無法地帯に流れ込み、1970~90にかけてアジア一の大スラム街が出来上がりました。

最も人口が多かった時期は0.026km2の土地に5万人もの人々がひしめき合う人口密度が約190万人/km2の世界で最も高かったようです。それは現在のニューヨークの119倍もの人口密度だったといいいます。

九龍城に行ってみたかった。

香港といえば100万ドルの夜景よりも重慶大厦のアジアの混沌とした雰囲気を浮かべるわたしにとって、九龍寨城は小さい頃から心惹かれる場所でした。

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また、星野博美さんの「転がる香港に苔は生えない」という香港滞在記を読んで、ますます行ってみたくなりました。

「転がる香港に苔は生えない」は2000年に出版された、香港返還の1997年をはさんだ2年間の香港滞在記です。

東アジアの混沌とした雰囲気にひかれ香港に留学した著者が1997年の香港返還に立ち会いたいと思い、再度香港に留学し当時の街や香港に住む人々との交流をえがいています。

同じように東アジアに引かれるわたしはこの本からその時期に香港にいる著者を羨ましく思いながらも、写真家の著者ならではの視点で描かれたエネルギッシュな香港に、読むたびに元気をもらってきました。

現在の九龍城寨公園

現在の九龍寨城公園は中国庭園風の穏やかな公園になっています。

また、ボランティアの観光案内の方もいて毎日午前10時~10時45分の45分間と、午前11時15分~12時の45分間の2回、無料で公園内の名所を案内してくれます。

ただし、言語は広東語のみなので広東語を理解できる方にはオススメです。

九龍寨城公園は賈炳達道公園(Carpenter Road Park)に周りを囲まれるようなかたちであります。

賈炳達道公園はサイクリングコースがあったり、児童遊具があったりと庶民の憩いの場としてかつやくしているようです。レンタルサイクルもあるので、子連れ旅行にも活躍しそうです。

九龍城寨公園への行き方

九龍寨城公園(賈炳達道公園)へはバスやMTRで行くことができます。

わたしはMTR宋皇台の駅から行きました。B3出口をでてまっすぐ10分くらい歩くとつきます。

観光地化されていない香港の街並みは、九龍半島の中心地である尖沙咀からMTRで10分しか離れていないのに、とても穏やかでマッハなエスカレーターがある(→香港のMTR)とは全く違った雰囲気です。

是非ガイドブックに載っていない九龍寨城公園に行ってみて、香港の色々な顔を体験してください。

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