『六安居』と言う名の香港ワゴン飲茶の名店

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『蓮香居』が無くなった?!

2024年年明け早々香港の飲茶界にとって大きなニュースがありました。香港島の上環にある『蓮香居』が改名し、『六安居』という全く違う名前になったというのです。

3ヶ月前に訪れて、素晴らしい香港飲茶の思い出を残してくれた『蓮香居』がなぜ?と思い、調べてみました。

香港ワゴン飲茶の名店

香港に行ったら美味しいものを食べようと思う人はたくさんいるのではないでしょうか。香港で美味しいものといえば、誰もが思い浮かべるのは香港飲茶ですね。

香港飲茶の新しいスタイルが続々と出てくるなか、昔ながらのワゴン飲茶として人気を得ていたのが『蓮香居』でした。

香港島の上環にあるこのお店は観光客にも地元の方にも愛されるお店として、香港のガイドブックにも紹介されていて、わたしは2023年9月に伺いとても美味しい點心を食べてきました。

→蓮香居での体験記はこちら

蓮餡の戦い

『蓮香居』は元々『蓮香楼』と言う香港飲茶の名店から独立したお店でした。

そしてその『蓮香楼』は、1889年広州市西部で「蓮蓉」という蓮の餡(あん)を使ったお菓子で有名となり、後の広東スタイルの月餅の原型になったともいわれる『連香楼』というお店から始まっています。

100年以上の時代の流れとともに、蓮餡の名店から始まった『連香楼』は様々な銘菓を生みだし、レストランへと変わっていく中で場所も広州から香港へと移り、1996年からこの地でワゴン飲茶の名店として名を馳せてきました。

そんな中2009年に『蓮香居』は『蓮香楼』から独立しましたが、その際に勃発したお家騒動は裁判にまで発展したようです。

本家『蓮香楼』は2019年頃から再開発のあおりを受けたり、逃亡犯条例改正案によるデモや2020年に香港を襲ったコロナ禍によりと経営が悪化し、2022年8月8日に閉店してしまいました。

『六安居』として新オープン

『蓮香楼』は閉店してしまいましたが、『蓮香居』は営業を継続し香港の地元の人々や観光客からの人気を集めていました。そして『蓮香楼』と『蓮香居』の和解が成立したようです。

『蓮』の文字を使わない

和解が成立した後2024年1月1日から、今まで『蓮香居』として営業していた場所で『六安居』と改名して再出発する事になりました。

店名が変わり胸元に『六安居』と刺しゅうされた新しい制服になりましたが、料理人、ホールのスタッフに変更はないため、経営体制や味を含め店に何ら変わりはないようです。

和解案の中に「蓮香」を使わないことで双方が同意したようで名前がガラリと変わり『六安居』になりました。

六安居の由来は??

蓮の餡のお菓子の名店から始まった『蓮香楼』と『蓮香居』です。蓮と香の文字にはそれぞれ譲れぬ想いを抱いていたのでしょう。だからこそ、この二文字を使わないという和解案が成立に至ったのかもしれません。

ところで新しい店名の『六安居』はどこから来たのでしょうか。

六安とは中華人民共和国安徽省にある都市の名です。

『連香楼』の生まれた中華人民共和国広州市よりも、ずっと北の南京に近い内陸部の都市です。

広大な中国の中で一見縁が無さそうですが、わたしには見えない縁があるのかもしれません。

六安は中国十大名茶の1つ「六安瓜片」の産地です。

一般に中国緑茶は茶葉が若い芽であるほど、採摘時期が早いほど良いとされるなかあえて若芽を摘まず、育った後に摘むという独特な作り方をする緑茶です。

「六安瓜片」を調べているうちに飲んでみたくなりましたが、飲茶の根本のお茶から由来しているのかどうかはわかりません。

日本に残る『蓮香楼』

由緒ある二文字は使えなくなってしまった『六安居』ですが、長年のお家騒動が無事に決着をしこれからも香港の昔ながらのワゴン飲茶が食べれることは、わたしたちにとっては嬉しい限りです。

香港では無くなった「蓮香楼」ですが、日本では2023年9月に銀座でオープンしていました。

こちらは香港みたいな點心をメインとした飲茶の店ではなく、100年以上前の広州で生まれた蓮餡の『連香楼』の流れをくんだ広東料理のお店になっています。

香港の『蓮香楼』や『蓮香居』とは全く違う雰囲気で、料理も違いますが本場の広東料理が食べられるお店です。

お得なランチコースなどもあるので1度は訪れて見たいお店ですね。

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