【香港旅行記⑩ 2023年】街の香港名物たち(竹の足場・漢方茶スタンド)

2023年香港旅行記

建築中の近代的な高層ビルをよく見ると足場が竹で組まれていたり、飛び出るデジタルサイネージの看板のおしゃれなビルの隣には、おじいさんが店頭の瓶からすくいだして売っている漢方茶スタンドがあったりとか、香港の街では日本では絶対に見ないような光景に出会います。

ここではそんな日本では出会えない、香港の街の名物たちを紹介します。

竹の足場

なぜ竹の足場?

高層ビルが立ち並ぶ香港では、既にビルだらけなのにそれでも日々高層ビルが建設されています。
ビルを建設する時に使われる足場を、香港では竹を使って組んでいます。

頑丈そうな鉄の足場を組んで高層ビルを作って行く様子に見慣れている日本人にとっては、誰もが初めて見るとぎょっとします。

でも高層ビルを山ほど建ててきた香港の人たちの経験と知恵によって、竹の足場が採用されているんです。

高温多湿の香港では湿度が80-90%台になる日が多く、湿度のせいで鉄が錆びてしまうことがあります。また、高いビルでは足場も高く組まらなければならず鉄の足場だと重すぎてしまいます。

竹の足場を使うとコスト面でも大きな利点があります。基本の竹の長さは22フィート(約6・7メートル)で1本10ドル、竹を縛る紐は1本6フィート(約1・8メートル)、200本が1セットで30ドルと破格の安さです。

その上、竹の適度なしなりが足場全体に柔軟性を持たせるため台風や衝撃を吸収したり、人間が作業しやすいように計算され組まれているので時間をセーブできたりと安全性も実は高いです。また、壁から60センチの空間があれば足場を組み立てられるため、土地の小さな香港では大きなメリットなのです。

そんなメリットだらけの竹の足場は香港の建築現場の95%以上で使われているそうです。

資格が必要

竹の足場は香港のいたるところで見ることができますが、誰でも組めるわけではありません。

プロになるための専門学校できちんと勉強し試験に受かり資格を得た、ごくわずかな人のみが職人として活躍できます。

しかし2013年のデータによると香港の足場職人は1300人程度で、高齢化も進んでおり約半数の職人が50歳以上とのこと。

見た目のイメージから危険な職業であるとか、建築現場を転々としなくてはならない職場環境だとかにより、若い足場職人の育成が進まない現状があります。

どの業界でも悩ましい高齢化&後継者問題は、香港の足場でも深刻なようです。

漢方茶スタンド

日本では出会えない香港の街中の名物の一つに、漢方茶スタンドがあります。

「涼茶舗」と呼ばれる漢方茶スタンドでは、涼茶と呼ばれる漢方茶がコップやお椀一杯10HKD程度で売られています。

涼茶舗を見ていると、涼茶をその場でグイっと飲んで颯爽と出勤するビジネスマンや、ペットボトル何本も買っていく若い女性など様々な人がひっきりなしにあらわれます。

医食同源が根付いている香港では人々は小さな不調を調整しながらエネルギッシュな毎日をおくっているんですね。

近代的なおしゃれなビルの合間に、一瞬場違いなようで堂々と現れる漢方茶スタンドは香港の人たちには欠かせない大切な生活の一部です。

ここでは灣仔の茶香留と九龍寨城公園近くにある陳仔葛菜水亀苓膏専家の二つの涼茶舗を紹介します。

湾仔 茶香留 

MTRの灣仔駅からジョンストンロードを挟んだところにあるのが茶香留です。

涼茶舗にしてはおしゃれな店舗で観光客でも利用しやすいです。

野葛菜水と羅漢果茶の二種類の涼茶が売られていて、それぞれコップとお椀とペットボトルがあります。

その場でカップ一杯飲んでいる人もいるのですが、それよりもペットボトルを何本も購入していく人が多かったです。

野葛菜水と羅漢果茶と二種類の涼茶があり、それぞれの効能が書かれています。

漢字圏の日本人には、中国語がわからなくても意味はわかります。どちらの効能も捨てがたいけれど、両方は飲めずに悩んだのちに、野葛菜水にしました。

見た目は黒烏龍茶のようなこい茶色でいかにも漢方茶です。温度はぬるいのでグイっと飲んでもやけどはしません。

味は好みだとは思いますが、漢方が苦手な友人は「美味しくはないけれど、普通に飲める」と飲んでいたのでそんなにひどい味ではないのかもしれません。
漢方や苦茶が大好きなわたしは美味しく飲めました。

営業時間は10:30~20:30で支払いは現金のみです。灣仔に行った際には是非お試しを。

宋皇臺 陳仔葛菜水亀苓膏専家

九龍寨城公園の最寄り駅の一つの、MTR宋皇臺にある陳仔葛菜水亀苓膏専家はこれぞ涼茶舗なお店です。

70年の歴史を誇る陳仔葛菜水亀苓膏専家は九龍寨城を見守りながら、地元の人に愛されてきたお店です。

こちらでは、葛菜水、五花茶、廿四味の涼茶があるようですが、看板メニューの葛菜水を頂きました。

見た目も味も正直言ってどのお店もあまり変わりがありません。飲めないほどひどい味もなく、美味しい~と喜べる味でもありません。でも飲むと体がリセットされる感じになるときもあれば、無い時も。

漢方という性質がら、即効性というよりは日々の生活に取り入れつつ小さな不調を治していくもののようです。

こちらのお店でもペットボトルを何本も購入していくお客さんが多かったです。

地元の空気を感じる事のできる涼茶舗は、観光客が人々の生活を身近に感じる事ができるお手軽な香港体験です。

【香港旅行記⑪2023年】につづきます。

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